咳の原因はさまざまで急性のものと慢性のものに分けられます。急性は風邪や気管支炎、肺炎などがあります。慢性咳の原因としては気管支喘息、咳喘息、肺結核、呼吸器系腫瘍、ストレス性咳などがあげられますが子供の慢性咳は9割が
気管支喘息と
咳喘息になります。
咳には
湿性咳嗽と
乾性咳嗽があります。
湿性咳嗽とは気道で増加した分泌物が気道を刺激し、痰を喀出するために生じる咳で
気管支喘息にみられ
乾性咳嗽とは喀痰を伴わないコンコンという「から咳」、上気道から下気道の全域で気道の過敏によっておこる咳で
咳喘息はほとんどこの咳です。多くの場合、乾いた咳は上気道(咽頭、喉頭)、湿ったような咳は下気道(気管支、肺)の病気と考えてよいと思います。咳は小さな子供を持つ親にとって心配事のひとつですが、特に小さな子は、おとなと違って簡単に痰を出すことができないものです。その為、痰を出す反応として咳をしているのです。痰が多いのに、咳が出なくなったらとうでしょう。痰がたまってしまい、気道が狭くなり、呼吸が苦しくなるかもしれません。咳は生体を守るための当然の反応でもあると考えてください。咳の状態によっては、時期が来るまで、多少親が我慢することも必要と思います。しかし咳がひどく、ミルクや食事や水分さえもとれず、咳のために吐いてしまうようになっては大変です。薬をちゃんと飲ませ、充分な水分を補い安静にするよう心がけてください。特に空気が乾燥しすぎないように注意し、咳の症状には冷たい水を飲ませたり、換気をすることも有効であることも、知っておいてください。
咳止め薬の種類について
咳止め(鎮咳剤)には、
中枢性と
末梢性の2種類があります。
咳や病気の種類によって、それぞれ使い分けているのです。中枢性鎮咳剤は脳に働いて咳を止め、普通の風邪や乾いた咳には中枢性を処方します。
肺炎や喘息などのように痰が詰まって苦しくなるような状態では、中枢性の咳止めは原則として使用しません。末梢性鎮咳剤は気管支などに働いて咳を止めるもので漢方薬もこの分類に入ります。喘息の場合など状況によっては、咳止めを使わないほうが良いこともあります。風邪では咳止めを処方するのに喘息で咳が出るのに、どうして処方しないのかというと、喘息はもともと、喘息発作で気管支が狭くなっているところに咳止め薬を使うと、咳が止まって痰が排泄しにくくなり、貯まった痰によって更に気管支の内部が狭くなり小さな子供は前にも書きましたが意識的に痰を出す事ができませんから余計に苦しくなってしまうからです。
この場合は、気管を広げ呼吸しやすくする
去痰剤や
気管支拡張剤を処方します。
喘息様気管支炎や喘息の場合には、内服薬以外に
吸入薬などを併用することも必要になります。
薬の種類によっては危険な場合もあるので、単に咳が止まらないからと言ってすぐにお薬に頼るのは危険です。吸入薬の乱用によって死亡事故も実際にあるので、服用するときはかかりつけ医の先生の指示によって服用してください。