花粉症(季節性アレルギー鼻炎)
・ハウスダスト・ダニアレルギー(通年性アレルギー鼻炎)とは?
せんげん台地区(春日部市・越谷市)特に
子供の花粉症は年々増加傾向にあります。低年齢でも症状が認められることもあります。花粉症とは、花粉によって引き起こされるアレルギー症状で、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、のどの痛みなどの特徴があります。原因となる花粉が飛散する時期にだけ症状が現れるため、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
症状の好発時期により通年性と季節性に分けられますが、季節性の大部分は花粉が原因であり、花粉症と呼ばれています。
日本では約20%の人が花粉症にかかっていると推定され、日本の花粉症患者さんの約80%はスギ花粉が原因で発症しているといわれています。一方、ハウスダスト・ダニアレルギー(通年性アレルギー性鼻炎)とは文字通り一年中アレルギー性鼻炎があり、一年中、症状が出ても不思議ではありません。その原因は家のホコリやダニのフンや死がいで、ペットのフケやカビも通年性アレルギー性鼻炎の原因となります。
花粉症の原因は、スギなどの花粉によるものがほとんどです。花粉が飛散する季節は多少の差はありますが、毎年決まっています。関東地方では、スギ花粉が2月上旬〜5月上旬、ヒノキ花粉が3月〜5月、カモガヤ花粉が5〜8月、ブタクサ花粉が8〜9月、ヨモギ花粉が8〜9月などです。季節性アレルギー性鼻炎の発症は20歳代に多くなっていますが、最近は10代、10才未満の子供達にも多く見られ発症年齢が低年齢化しています。
花粉症・ハウスダスト・ダニアレルギーの院内検査
アレルギー鼻炎の治療にはその原因となるアレルゲンの検査が必要不可欠です。検査には、皮膚テスト、血清特異的IgE抗体検査、鼻粘膜誘発検査などがありますが、あゆみクリニックでは通常の1/6の微量の血液採取で
アレルギー原因を解明する翌日には検査結果の出る検査機器を導入しており、IgE抗体検査を実施し、アレルギー症状の原因(アレルゲン)を確認します。まずは、検査を行い、何に対するアレルギーかを知り、あらかじめ対応しておくと、アレルギー性鼻炎の症状が軽くなります。
IgE抗体検査は、採血をしてアレルギーと関係するIgEという抗体がどんな種類のアレルゲンと結びつくかを精密検査するものです。スギ花粉がアレルゲンであればスギ花粉に対し「陽性」というように結果が出ますが、陽性だからといって必ずそれがアレルゲンとは限らない場合もあり、問診で得られた情報などと組み合わせて診断します。
花粉症(季節性アレルギー鼻炎)の治療と舌下免疫療法
【花粉症の治療法について】
治療方法は、抗アレルギー剤を内服するのが一般的で、加えて点鼻薬・点眼薬などの局所投与薬を組み合わせて行います。さらに、食生活や睡眠に注意することで、身体の免疫力をバランスの取れた適切な状態に保つことも大切です。当院でもこれらの治療を行っています。投薬方針としては
【1】患者さんがどれくらい花粉症の症状に悩まされているか
【2】患者さんそれぞれの生活スタイルにあわせて治療・投薬方針を考えていきます。
これらの治療に対してスギ花粉症の病状軽減や治癒を目指す唯一の保険治療法が
舌下免疫療法(減感作療法)です。免疫療法とは、アレルギーの原因となる物質を少ない量から徐々に増やしつつ体内に入れて
アレルギー反応を抑えることを目的とする治療法で、皮下注射免疫療法(SCIT)と舌下免疫療法(SLIT)の2種類があります。この両者を比較し当院では
1)生命にかかわるアナフィラキシーはこれまで報告されていない事。
2)自宅で投薬が患者さん自身ででき通院負担が軽減できる
3)注射の苦痛がない事を考慮し舌下減感作療法(SLIT)を行っています。(初年度は実績として38例、昨年度は45件)
スギ花粉症の免疫療法は、スギ花粉飛散時期には始めることができません。毎年6月〜12月くらいに治療を開始します。
ダニ・ハウスダストアレルギー(通年性アレルギー鼻炎)の治療
花粉症と同様に治療方法は、局所薬である点鼻薬、点眼薬に加えて抗アレルギー剤を内服するのが一般的です。しかし治療の方針としては、投薬も季節性の鼻炎と違い通年の投薬となることから3つの方向で投薬実施をしています。
【1】アレルギーの元に接触することを出来るだけ減少させる(お掃除や生活指導等)
【2】アレルギー性鼻炎の方は風邪をひくと悪化するので、健康管理を徹底
【3】患者さんそれぞれの生活様式と症状にあわせて投薬方針を考えていきます。
ダニ・ハウスダストアレルギー対策はアレルゲンの排除が不可欠
アレルゲンとなるものには、ダニやカビ、ペットの毛、ハウスダストなどがあります。身の回りのアレルゲンをできる限り減らして病状の悪化しないようすることが大切です。こまめに掃除と換気を行い、空気をきれいに保ちましょう。エアコンのフィルターや、家具のすきまなど、見過ごしがちなところにホコリやカビが発生しやすいので注意が必要です。アレルゲンとして最も多いダニのすみかとなりやすいもの(特に布製のもの)はなるべく置かないようにしましょう。
完璧さを追求せず頑張らない程度に継続できるよう1日の1/3を過ごす寝具と寝室の対策を最初にしてください。
動物の毛やフケはそれ自体がアレルゲンになりますが、ダニが増える原因ともなるので、
毛や羽のあるペットを飼うのは避けた方が良いでしょう。(下記のサイトを参考にしてください)
ダニアレルギーに対する舌下免疫療法が始まりました
スギ花粉とは異なり、
1年中、いつでも治療開始できます。
検査でダニ(ハウスダスト)アレルギーが原因であると診断された、
12歳以上の患者さんのみが対象となります。
室内塵ダニ(コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ)から抽出したアレルゲンエキスの混合錠剤を舌の上に置き、1分間保持することで、アレルギー症状を治療するアレルゲン療法です。
その後は飲み込み、5分間はうがい・飲食を控えます。
ダニの舌下免疫療法は、今のところ12歳以上、ダニアレルギー症のみで保険適応とされ、
治療前に原因がダニであることを
確認(検査)する必要があり、
重い気管支喘息の方は治療ができません。
副反応、(口の中や舌の粘膜が腫れ及び蕁麻疹)がスギ花粉の舌下(免疫療法)より多めにありますのが、医師の指示に従い服用すれば安全です。
また、通年性のアレルギーである通年性鼻炎だけではなく、喘息・アトピー性皮膚炎の主なアレルゲンもハウスダストとダニ(昆虫)であることは間違いありません。
そのリスクの加減(副反応)を診ながらダニのアレルギーを薬による対症療法ではなく原因療法を保険診療で行うことができるようになったのは有益な治療方法です。
鼻炎だけではなく、喘息やアトピー性皮膚炎等、保険治療的になり、日が浅いため臨床データーは整っていませんが、
他のアレルギー疾患へもよい効果(ベネフィット)が期待できますので、経過観察を十分に行い柔軟な治療を行っていきたいと考えています。
スギ・ダニアレルギー舌下免疫療法を
初めて受診される患者さんへお願い
初回受診日は、保険適用の判断の為、
アレルギー採血検査を行い混雑状況によりお時間を頂きます。2回目は、
服薬や他指導の為、1時間程お時間をいただきます。よって、1回目(初診時)と2回目の来院受付は、
午前診療時間は11:30頃(火曜日は9:30)、
午後の診療時間帯は17時(土曜日休診)までに受付を終了頂きますようご協力お願いします。